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colon / 第一話 - 補足
:◆ストーリーパートでは記されなかった部分を補足




◆1.落ちてきた娘
 どこから落ちたのかなぜ落ちてきたのか定かでないが、屋根を突き破るほどの衝撃で無事だったのは幸運だった。
 下地になったのがシンクだったのも様々な意味で幸運だった。ふつうなら死んでるところ。それでなくても怒られる。
 何も言わずに次の脅威から助けようとした辺り、彼の変人具合が推し量れる。
 また、シンクに手を引かれたミンはあわてて手荷物を拾い上げている。
 ミンはしげみに隠れているとき、胸の前で何かを握り締めるシンクを横目で見て、自分の荷物を盗られたかと思っていた。けっきょく誤解だった。


◆2.ゴーレム
 生命はなく思考能力も乏しい。創造主(シーゲル)の単純な命令に従うだけの自動人形。
 この場合”大きな音がした、異常があるかもしれないから小屋の周りにいるものを潰せ”という命令に従っていただけ。
 尚、伝承にいわれるゴーレムのように明確な弱点(emeth→meth)はなく、バランスが保てないほど体がくずされればもとの石へと返る。



◆3.魔女の家
 シンクの家が村の端に位置するが、これよりもっと森の奥に魔女の家はある。
 村人と折り合いがつかず独り村の隅へ住んでいたシンクに、少なからず仕事を与え養っていたのはこの魔女だった。
 知り合いから後見人と押し付けられたというのもあったが、それ以上にシンクの人柄に関心をもったからだった。


◆4.ミンの手土産
 魔術の秘儀が書かれた書物。基礎理論のほか、薬物調合に関するものが書かれていた。
 この魔女にとっても有益な情報だった。



◆5.兵舎までの道中
 ミンはシンクへ、先ほど取り出した四角のことを尋ねた。
 「あなたこれ知ってるでしょ?というより、ひょっとして持ってるでしょ」「な、なんで?」
 「やっぱりね、いいの。ただあなたがいるのにあたしに振ってきたってことは、相手もこれもってるのよね〜たぶん」
 ミンはこの時点で、敵の脅威におおよその目星がついたようだった。


◆6.保安兵
 兵舎は使われなくなった教会を代用したもの。
 保安兵は通常2・3名王城から配属されるが、シーゲル以外の兵は皆彼に殺された。


◆7.シンクと保安兵シーゲル
 幼馴染なふたり。子供のころより村人から疎まれていたシンクだったが、シーゲルは人目を忍んでこっそりと遊んでいた。
 魔女の家から兵舎へ向かう道中、うつむきがちのシンクからミンはそのことを聞いた。
 「幼馴染なんだ…」「そう、気の毒だけどあたしはあたしの仕事をするわ」
 「うん、わかってる。もうこうするしかないんだってことも」。
 最後にミンは聞いた、「邪魔してもいいのよ?」シンクは答えられなかった。



◆8.ミンの刀
 『コロン』と呼ばれるものから取り出したもの。またはそれ自体をコロンとも言う。
 これを使用すると感情が高ぶり、超人的な身体能力が得られる。
 それぞれ魔法のような固有の超能力があるのが大きな特徴。
 ちなみにコロンを持つものはそれを捨てることができず、手放してもいつの間にか手の中に戻っている。
 また同じコロンを持つ者でも、他者の持つコロンは使うことができない。


◆9.シンクの槍
 ミンの刀と同じもの。
 子供のころ使用したことがあり、絶大な力を披露したが幼さが祟り暴走し、村を破壊してしまった。
 それにより大人は彼を疎ましく思い、シーゲルはその驚異的なパワーを幼心に焼き付けた。


◆10.シーゲルのハルバード
 ミンの刀と同じもの。
 コロンを使い続け行く着く先は彼のような状態。
 生み出すゴーレムも通常の”複数創造”と小山ほどの巨大な一体を作る”単体創造”とがある


◆11.消えるからだ
 力尽きたシーゲルは光となって消滅した。
 通常、コロン使いのすべてがこういった最後を遂げるわけではない。
 シーゲルの場合特定の条件に従って力を行使しすぎたためにこういった現象が起きた。


◆12.シーゲルの現在までの経緯
 初期はまだまともだった彼も、コロンの影響で、村を(シンクを)守るという意思のみが暴走していった。
 その際、彼を止めようとした同僚も”村の平穏を阻害するもの”と見なされて殺害される。
 現在ではそのまま”村の平穏を守る”という意思のもと、村へ人の出入りができなくなり閉鎖状態になっていた。



◆13.魔女の協力
 ミンが求めたのは以下。
 一つ、王都までの道のり。
 一つ、『コロン』のこの地での認識。
 一つ、この国で最上の魔術師の所在。
 得られた情報は乏しかった。道のりは街道を確認できたのみ。
 コロンは一般にはもちろん知られず、魔術師の間でも新進の謎の魔具とされること。
 唯一まともなのは、最上の魔術師が王城に所属する5人の宮廷導師というもの。
 そもそも国内でも交流が乏しい時代なので、情報が得づらいのは仕方ないことだと確認できた。


◆14.シンクとの旅
 シンクがミンについて行こうと思ったのは、彼女の旅の目的が”コロンの謎を探る”というものであることから。
 ミンの国にもコロンがあり、由来や構造が謎だというのはどちらも同じ状態。
 これを解明し、制御を可能とさせることがミンの目的であり、シンクはそれに同調して協力を申し出た。


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